贈り物は必ず受け取らなければいけないのか?贈り物と一緒に恩を押し付けてくる人
贈り物はそもそも、神様へのお供えとして始まったらしく、お供えを人間に配ることが贈り物の起源と一説ではされているらしい。(Wikipedia)
一言に贈り物といっても目的は様々。感謝の気持ちであったり、お祝いであったり、お裾分けであったり、行事に合わせたプレゼントであったり。。
贈り物を贈ったり、受け取った側のお返し品などで価値観の違いや人間性がわかるなとしみじみ思います。
最近、贈り物は時と場合と相手の思惑に応じて断ってもいいのではないかと、考えさせられる出来事があったので体験談、エッセイとして記事にしてみました。
先輩からの気まぐれな贈り物に感じる違和感
それは職場の先輩Aさんで、御局様的な存在の方から頂くちょっとしたお菓子について。
Aさんは気分屋なのでご本人が、私に対してなにか思うことがあれば(理由はわかりませんが)、私にだけあからさまに不機嫌な態度を取られます。(他の人も被害にあっているようですが)
今は部署が違うので、仕事でのトラブルは考えられません。私の態度にイライラしているのか、ご本人がイライラしているの真相はわかりませんが、突然なのでこちらは気分が悪いです。
ご機嫌な時はわざわざ、私が誰かと話をしている時に間に入ってまで私に話しかけてきます。(大した内容ではないです)
Aさんはとにかくマイルールが多い。マイルールを強要しないものの、扱いにくい先輩で有名。仕事に影響はないので私としてはいつも笑顔で受け流している状況。
そんな先輩Aさんから時々「賞味期限が迫っていて、私は苦手で食べれないからどうぞ」と菓子折りや誰かからの頂き物であろうご当地土産のお菓個が個包装されている物を2・3個頂くことがあります。
Aさんはプレゼントをするのが好きな人で、少しでも仲良くなれば誕生日を聞いてプレゼントを必ず贈ってくれます。(これについても職場では色々あって、また別の機会に。。)
それの延長線で、Aさんがプレゼントをすればお返しをもらうでしょうから、お返しの菓子折りが口に合わない時は私や誰かに配っているのだろうなと想像できます。
なぜなら、Aさんは食べ物の好みなどもハッキリ決まっているので、自分の口に合わない物は食べない主義。
最初は先輩からの贈り物(たとえ小さいなモノであっても)なので、なにかお礼を贈らなければいけないと思い、先輩の好きそうな洋菓子や和菓子を探してお返ししていました。
そしていつも「期限切れのモノを気軽にあげられるのはあなたしかいないから。。どうぞ」と言って頂くのですが、100%純粋に嬉しい気持ちにはなれず、違和感は感じていました。
でもこの時は、変な違和感の正体はわかりませんでした。
私的には「期限切れが近い物」に対して違和感を感じるものの、「なんでも話しやすいから」「気兼ねなく」、「気楽に接することができる」とAさんから私に対しての行動は好意的に捉えていました。
けれども、このやりとりを何年もするうちにふと気づいたことがありました。
微妙な贈り物関係、透けて見える想いに対応を変化してみたら。。
「あれ?これってご本人が不要なモノを捨てられない、もったいないから私に渡しているだけで、贈り物ではないかもしれない」っと思うようになったのです。
そして、私はある時からお返しをせずに「ありがとうございます」とお礼を言うだけになりました。
「Aさんは要らない物を自分が捨てるのは忍びないから私に押し付けてるんでしょ?」っと、自分の気持ちをそのまま伝えるのは失礼だからもちろん言いません。
だからといって、先輩からのプレゼントを突然「結構です」と断るのも角が立ちそうな気がしました。
今、出来ることは「ありがとうございます」と受け取るだけで、精一杯。
頂き物でも、私の苦手なお菓子だった場合は賞味期限が明後日とかなので、誰かに「これ好きならどうぞ?」なんて言うのも失礼な気(結局、先輩と同じことしてる)がして、自分で捨てていました。
Aさんから頂くお菓子は、いつも本当に賞味期限が迫っているモノなので、受け取る側の私としても「残飯処理係」なのかと思うほど。
私がお返しをしなくなってから、不機嫌な態度の頻度も増えたような気がします。
憶測ですが、「お返しがないから「常識がない」などで拗ねているかもしれない」と思いましたが、私はお返しはしないことを徹底しました。
今までの私なら、事なかれ主義なので「何かわからないけれどAさんを怒らせてしまった」と焦って、お返しを再開していたでしょう。
けれども、Aさんの私への態度(期限切れ間近のお菓子を渡す)から自分が粗雑に扱われている感じが透けて見えて私は傷ついていたのです。
違和感を感じていた原因は私のことを粗雑に扱っていたことだったのです。
しかも、「こんなことはあなたにしかできない」とも言っていたので、裏を返せば「失礼な対応(期限切れのお菓子を配る行為)でもあなたなら許してくれるでしょ」という甘えでもあったのです。
そんな部分が見えてしまい、というか気づいてしまって「合点がいきましたわ!」と納得。
そして私は「賞味期限間際のプチギフト」をお断りしない代わりに、お返しをしなくなったというわけなのです。
お返しをしない、つまりAさんからのお菓子は不要ですという意思表示でもありました。
お返しをしなくなってからはしばらく不機嫌でした。
そして、何年も続いていた月1程度の「賞味期限間際のお菓子のプチギフト」は1・2回お返しをしなくなったらピタッとなくなりました。
この話を同じ職場のMさんにすると、「お返しが欲しかったんだろうね。Aさんならではって感じ」「見返りを求めてプレゼントする人」「人からの貰い物をプレゼントして、タダで何か欲しがる人」など分析していました。
真意はわかりませんが、プレゼントし甲斐がない奴と思われたのは間違いないでしょう。
プチギフトがなくなってから、1年も経たない頃、Aさんから突然、頼まれごとが。。
突然、先輩からのゴリ押しの頼みごとが。。
それは、気持ちの良い初夏の始業前。
私は朝の空気が気持ちよくご機嫌で出社しました。
打刻し、休憩室のウォーターサーバーの水をコップに入れようとしていた時に、Aさんがいたのでいつものように「おはようございます」と挨拶をしました。
すると、あいさつはそこそこで早々に「あなたはメルカリやってる?」と突然、なんの前触れもなく聞かれました。
突然の質問に嫌な予感がよぎります。
返事をする前の1秒程の間に「メルカリ出品して」とか頼まれそうと思ったものの、うそはつきたくないので、とっさに「メルカリは時々していますが、今は面倒なのでしていません」と事実を伝えました。
私は、「今はメルカリをしていないから、メルカリの出品のお手伝いはお断りしたい」という意思表示をやんわり伝えたつもりでした。
けれども、彼女の心は決まっていたのか「メルカリの出品をお願いしたいの。なんだか苦手だし、、、。手数料として10%をあなたに支払うからお願い」と強引に話を進めてきて私はパニック。
Aさんによると、良いと思って購入した商品を1つ頼んだつもりが4つも届いてしまったとのこと。
更に定期購入契約になっているので、電話でしか解約できないらしい商品だったのです。
詐欺まがいの商品と感じてしまい、嫌になって捨てようかと思ったそうですが、メルカリで調べたら定価と近い値段、もしくは良い値段で売れるのでメルカリに出品したいと思ったそうなのです。
Aさんはことの経緯とメルカリへの出品は苦手であることを矢継ぎ早に話してきます。
Aさんが強引に進める「メルカリ出品」の話。
私は自分の出品でさえ億劫でやりたくないのに、ましてや先輩Aさんとなれば、粗相はできないと余計緊張するし、焦ってしまうと引き受けたくない気持ちでいっぱい。
それに、突然のことで私はパニックになり「はい」と承諾してしましました。
やんわり、「4つの商品をまとめて一つに出品していいですか?」と聞くと、「いやいや、4つまとめてではなく、1つずつ4回にわけて出品してほしい」との事。
なんだか心がざわつくも、「はい」と返事をしてしまったので、梱包材とか用意してもらえるんですか?など具体的なことを聞きました。
一つ2,000円位で売れる商品でした。手数料の200円なんて要らないし、本当は引き受けたくない。けど、断れなかったので、「手数料は要らないです。」と言い、今回だけ引き受けて今後は断ろうかなと考えていました。
その場を後にしますが、なんだかモヤモヤが消えません。
Aさんはマイルール多めですが、程よい距離感を保っていれば、愛すべきくせ強キャラだと思っていました。
今まで、小さな頼まれごとを受けたことはありますが、その時も申し訳なさそうに頼んでこられていました。けれども、今回は違う。
「なぜ、強引に頼んできたのか?更年期?(いや過ぎてるか)」
「なぜ、いきなり私に頼むのか?」
「メルカリで売れる相場まで調べ上げているのに、なぜ自分で出品しないのか?」
など、急に疑問がいっぱい浮かんできます。
Aさんが頼み事を強引に押し付けてきた感じと、私への配慮が全く感じられませんでした。
頼む気マンマンなAさんの態度が嫌でした。
そして、咄嗟の判断ができず引き受けてしまった自分への苛立ちも出てきました。
出勤して早々、嫌な気分になって仕事を開始。
メルカリの出品作業というのは、商品サイズを測り、画像を撮影、商品詳細の文章を考えて、出品手続きをします。購入されたら購入者とメッセージのやり取り、梱包、発送作業がをしなければいけません。
1つの商品にこれだけの作業がかかり、労力と時間がかかります。
また、商品が売れた際の売上金が入金された後、現金化するのにも手間がかかります。
1つの商品を売って、お金に変えるのに何工程もかかる過程を考えると、安請け合いした自分自身を心の中で「私のバカー」と叱りつけてみたものの、気が済まない。
考えれば考えるほど、どうしても嫌で午前中いっぱい考えました。
引き受けた以上断ることはできないと思い、「出品は1つだけ」という条件付きにすることを伝えに、Aさんのところへ行きました。
「メルカリ出品はお手伝いしますが、1つだけお手伝いします。自分のモノではないので、扱いに緊張します」と正直な気持ちも伝えました。
するとAさんは、「商品はメール便でも送れるような薄いもので、軽いから取り扱いは簡単だし、1つも4つも変わんないじゃない?」と自分で作業するわけでもないのに、強引に自分の意見を通そうとします。
心の中で、「いいかげんにしてよ!厚かましい人だな」っなんて思うけれど、先輩だしそんなことは言えません。
Aさんに向かって冷静に 「そうなんですね。でも4つまとめて出品するか、1つにするのか、いずれにしても1回だけの出品で勘弁してほしいです。あとはメルカリのやり方とか教えますよ」と伝えたら、やっと引き下がってくれました。
メルカリでの売上金の現金化には振込手数料などもかかり、入金日も指定日が決まっています。面倒なので、Aさんには現金で支払って、売上金は自分でメルペイという電子決済で使おうということにしました。
数日後、商品が売れたのでAさんにすぐに現金を渡すと「現金化するのに時間がかかるんじゃないの?」と言われたので、
「メルカリのことを随分ご存知ですね」と言いつつ、(自分で出品できるじゃん)とまたまた、モヤってしまったのでした。
きっと私はAさんから「メルカリのやり方がわからないので、教えてくれない?」とAさんに聞かれたら、教えていたと思います。
教えているうちにご自身で出品できないだろうなと感じたら、私の意思で出品を手伝っていたと思います。
けれども、メルカリのことに詳しいし、最初から強引なお願いをしてきた態度が私自身を粗雑に扱われた感じがして傷ついたんだと自分の気持ちを分析。
そして、このモヤっとする気持ちは「賞味期限間際のプチギフト」事件の気持ちと似ていました。いや、それ以上に嫌な気分でした。
その後Aさんは「メルカリの出品方法を教えて欲しい」という理由で、早く仕事が終わった日に一緒にカフェへ行くことに。
Aさんの後に自分の分を注文しようとレジでメニューを選んでいたら「一緒に払うよ。メルカリでお世話になったからご馳走する」と突然、美味しいコーヒーとパンを頂くことに。
今までAさんからは人からの貰い物のお裾分けしか頂いたことがなかったので、困惑。
私に強引に頼んだのでバツが悪くなったのでしょうか。ご馳走してチャラってことなのでしょう。
メルカリの出品方法を教えようと思ったら、「調べたら大体わかった」と言いそそくさとその話は切り上げ、話題は自分の好きなアーティストや身の回りの話。
一通り話して、自分の帰りたい時間の電車が迫っているからと、本人はスッキリした顔で私に手を振りAさんと別れました。
押し売りの恩を自ら回収しようとしていたのか?
その後、Aさんとはいつものように程よい距離を置き、あいさつや天気の話をする程度で過ごしています。
私はこの事件をきっかけに、私の態度も曖昧だったり、へらへらした態度が良くなかったのかもしれない。「時には毅然とした態度を取っても良いのではないか」と思うように。
事件後、随分日が経ったある日の早朝、仕事前に家のトイレ掃除をしていた時になんとなく、ふとした感情が湧いてきました。
「賞味期限間際のプチギフト」事件のAさんからの恩をAさんはメルカリ出品依頼で恩を回収しようとしていたのではないか。と思ったのです。
賞味期限間際のお菓子を私にプレゼントしてくれたのに、私はお返しをしなかったので、Aさんは「それなら私の代わりにメルカリで出品して頂戴」と思ったのかもしれないと、ふと感じたのです。
そもそも「賞味期限間際のプチギフト」はAさんが私に押し付けてきた恩なので、私としてはAさんからの恩とは感じていませんでした。そこで、齟齬が生じていたのでしょう。
そして、トイレ掃除の時にふとした気づきを決定的にしたのは断捨離提唱者のやましたさんの言葉でした。↓
物を贈る時は、相手への想いも乗っかっているということ。
やましたさんは、どういう想いで物を贈ろうとしているのかで受け取る側が敏感に察知しているとおっしゃっています。
今回の場合、Aさんは私に見返りを求めていたのかもしれない。だから、私は違和感を感じたんだろうなと。腑に落ちました。
真相はわかりません。けれども、直感というのは自分が生きてきた中で培った経験なので、40年以上生きてきた中で自分が感じる直感というのは、あながち間違っていないと思っています。
Aさんが要らない物を自分が捨てるのは忍びないから私に押し付けている。だから、私がAさんの代わりに「賞味期限間際のプチギフト」の始末をつけてあげているという私自身の驕りは反省すべき点です。
贈り物というのは受け取るのを断ると相手へ失礼と思っていました。
贈り物のマナーとしては「受け取る」ことが正しくても、固定概念で決めつけなくてもよいのかもしれない。
っという訳で、私の結論は、冠婚葬祭、お祝いの贈り物以外に、贈り物を頂く際は、相手からの想いを敏感に察知し、時にはお断りをしても良い場合もあるなと感じたのでした。
最後まで読んで下さってありがとうございました!では、では。