『半分、減らす。』から「ほどほど」に捨てることを学ぼう
『半分、減らす。 「1/2の心がけ」で、人生はもっと良くなる。』という本は、人生をより良いものにするためのアプローチを提案している書籍になります。
禅僧の住職でもあり、精神科医でもある著者から、今行なっていることを「半分、減らす」ことで、人生をシンプルに好転させましょうというお話です。
「半分、減らす」では、「1/2の心がけ」というコンセプトを紹介し、「物・食事・消費・情報・仕事」と5つに分けて、具体的な方法が提案されています。
本のタイトルだけで見て、なんだかワクワクし、読んでみるととっても面白かったので、特に私が良かったなと思った部分などをシェアしたいと思います。
「今よりも半分、減らす」という意識だけで行動が変わる。
『半分、減らす。 「今よりも半分減らす心がけ」で、人生はもっと良くなる。』のわかりやすい点は、
「今よりも半分減らす心がけ」の考え方が指標としてわかりやすく、行動変容につながる点です。
物事をシンプルにするために、あらゆる要素を半分に減らすことを心がけることが大切であるというアイデアが紹介されています。
目安は今より半分を心がけることで、数字を事細かく決めなくても、半分を感覚的に意識するだけで、心持ちも随分と変わります。
それによって、行動が変わってくるということです。
行動変容というのは人が行動(生活習慣)を変える場合は、「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えます。
厚生労働省-eヘルスネット-行動変容ステージモデル
行動変容はこのように、ステップアップすると、行動が定着し「より少なく、より豊かに暮らす」ことができるというわけなのです。
定着していたことがライフスタイルやライフステージの変化で、また変わってもそれはそれで良し。重要なのは、行動を起こすこと!
三日坊主野郎の私ですが、この本を読んでまず「半分減らせばいいんだ」と意識するだけで、具体的な数値で何か変わったと言う訳ではないですが、暮らしの変化がありました。
・食事を満腹になるまで食べなかった。
・本の購入も一旦立ち止まって積読にならないか考えるようになった。
・スマホを触る時間も少し意識するだけで、寝る前のスマホ時間が減りぐっすり眠れる日が増えた。
・スナック菓子の食べる量が減った。
今より半分減らすとどうなるかな?と考えるようになりました。
きっちり、今までより半分減らした訳ではないですが、意識をするだけで、ついつい食べ過ぎ、買い過ぎ、無駄な時間過ごしすぎが軽減できました。
今までは「〜しなければならない」に囚われて、目標が達成出来ない私はダメなんだと思い悩むことが減りました。
哲学者・心理学者のウィリアム・ジェームズのとても有名な名言があります。
心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。
確かにそうなんだけど、なかなか難しい。。だからこそ、「今より半分」という心がけは意識しやすいですね。
私が探していた「中道の精神」
断捨離と出会い、整理収納を学び8年ほど経ちます。
整理収納・断捨離のメソッドは、時間や人間関係についても生かされてきました。
そして私なりに辿り着いたのが、心のバランスを保つ「やじろべえの心」という考え方。
ヤジロベエとは、日本の伝統的な玩具。人の形をしていて、胴の先が細くなっており、左右に伸びた手の先についている重りでバランスをとる。釣合人形ともいう。英語でいうバランストイに分類され、バランストイのことをヤジロベエということも多い。
Wikipedia:やじろべえ
一時はいっそのことミニマリストを目指せば、簡単で暮らしがラクになるかもしれないと、タイパを意識すぎて、モノを捨てすぎて後悔したことも。
誰かと比較せずに、過去の自分と比較し私にとってちょうど良いところを常に意識することで、心も暮らしもラクになりました。
モノ・コト・感情、何事も「〜し過ぎない」ことで、いつも「やじろべえ」が傾きすぎることなくバランスを保つことを意識していました。
「何事もほどほどに」・・・ほどほどは「普通にする」とは違います。普通という概念は人それぞれ違うので誰もがわかる目安にはなりません。
自分の中で「やり過ぎない」という意識が大切なんだと思います。
だから、いつも私の心のやじろべえは傾き過ぎず、常にバランスを保っているか?を問い続けています。
このような私の考えを「中道の精神」ということをこの本を通じて知りました。
中道の精神については仏教のお話を交えて説明されているので、仏教についても優しく学べるのでとても勉強になりました。
「なんだ、昔からある仏教の考え方なんだ」ということも知り、更に自信がつきました。
なかなか出来ない中道の精神。
けれども、自分の中で大きな軸がどっしりとあることで、常に立ち返ることができるのはとても大きなこと。
中道の精神を鍛えるには、禅宗では「坐禅」があります。
本書では、坐禅が逆輸入された形のマインドフルネスを行うことで、物質的に「半分減らす」ことが出来ても、我慢をしているとストレスフルになってしまう。
そこで、マインドフルネス瞑想を用いて「今、ここ」に集中したマインドフルな生き方にすることで忙しい心を整えようということです。
やり方は色々あると思いますが、私は丁寧に掃除をするのが好きです。
『半分、減らす。 「1/2の心がけ」で、人生はもっと良くなる。』を読んで良かった思ったこと3つ
今までは、この本を読んで「意識することで行動が変わること」や「ほどほどを心掛ける」の大切さについてお話してきました。
ここからは、片付けについて。
整理収納・断捨離・お片付け目線から見て、第一章の「物を半分、減らす。」項目だけ読むだけでも十分なほど、読み応えがあります。
特に何度も頷きたくなるほど、深く共感したことを3点をご紹介。
豊かさとは何かを再確認
物がある豊かさ=心が豊かであるとは限らないことを統計データを用いて、紹介されていました。
私たちはどうしても、モノで自分を励ましたりすることがあります。なぜなら、簡単で手っ取り早いからです。
そして、「もっと、もっと」と願望が増えていき「やりすぎてしまう」ことで、心が貧しくなっていくそう。
だからこそ、物ではない自由な時間・健康・愛情・人間関係や心地よい環境の方が幸せが長続きするそうなのです。
確かにいざモノを整理すると実は「必要なかった」モノが多いこと。多いこと。
だからこそ、「今の状態よりモノを半分、減らす意識」で断捨離することが大切なんだと実感。
実際に半分減らすことができれば、尚良いですが、意識するだけでも「断捨離しよう」と意欲がわきます。
頭ではわかっているものの、「整理する」「断捨離する」という行動を起こすことで、「スッキリした空間は幸せへの近道」と実感できます。
散らかった部屋は注意散漫
散らかった部屋だと、注意力が散漫し、集中したいことに集中できないということもエビデンスを基に説明がありました。これも、納得の内容。
私自身の経験ですが、学生時代、テスト前にテスト勉強をせずに急にデスク周りを片付けていました。
今思えば、ごちゃついているデスクだと集中しようとしても集中出来なかったんでしょうね。(写真の整理までしてしまう始末。。。テストの結果はご想像の通り。。)
余計なモノやコトを手放すことで、本当に重要なことに焦点を合わせることができます。
そして、手放した結果、さまざまなことに効率的に取り組むことができ、成果を上げることができます。
成果とは仕事・家事・子育て・介護、ありとあらゆることです。タイパにも効果的。
ただ、以下には気をつけたいものです。
買いすぎ・・・ついつい多めに買うのはNG。ストックはほどほどに。
ため込み過ぎ・・・ストックを使い切っていないのに、買いすぎるので必然的にため過ぎた状態になってしまう。
散らかし過ぎ・・・すぐに片付く程度なら良いですが、出しっぱなしが1週間以上ならそれは散らかし過ぎだなと意識したいもの。
「捨てる快感」に注意。何事も「〜過ぎない」
著者曰く、モノを捨てる時にも気持ちが高揚することがあり、捨て過ぎてしまうこともあるそう。
確かに、「ウチ、断捨離しました」の番組でも、やましたさんが訪問した時は一生懸命、モノをせっせとゴミ袋に詰めたものの、翌日にゴミ袋からモノを取り出したり、やっぱり捨てなかったりと気持ちが変わっている方は何人もいらっしゃいます。
私も断捨離初期の頃は、捨てる高揚感から一気に家具や家電を捨てて、夫に不満を言われたことがありました。あの時は、家族の意見を取り入れずに押し進めたことを猛省。
精神科医でもある著者は、「捨てることの快感は、買う時の快感と似ている」と仰った患者さんがいらしゃったとか。
要・不要の判断をせずに勢いに任せて、捨てることで後から後悔し落ち込んでしまうという、気分にアップダウンがあり過ぎる人も少なくないようです。
捨て過ぎることで心が追いついていない。
モノや人間関係をもどんどん捨てていくことで、その時は高揚するものの、本当に一人ぼっちに孤立してしまい、クリニックを受診される方が増えていることを著者自身が感じているとのこと。
人間関係を捨てる行為は「人と向き合うことを選択しない」ことをしていると。
続けて著者は、その背景には自分自身と向きあえておらず、今ある自分を認めることに恐れているのが見えるともありました。
自分自身を観察し、認めることで自分で自分を励まし、心のやじろべえが傾き過ぎないように調整し続ける必要があるんでしょうね。
何事も中道の精神が大切というわけですね。
おわりに
『半分、減らす。 「1/2の心がけ」で、人生はもっと良くなる。』を読んで、自分の生活をより意識的に見直すことができました。
モノを減らすこと以外に、食事、消費、情報、仕事も減らすことを意識しましょうと提案されています。
どの章も読み応えがあり、ライフスタイルを改善したいと考えている人にとって、非常に参考になる内容が詰まっています。
個々の生活に合わせてアプローチを変えることができるため、誰にでもいつでも取り組みやすいのでおすすめす。
あなたの行動を変えるきっかけになれば幸いです。
最後まで読んでくださってありがとうございました!